独学で中小企業診断士2次試験に臨む際に必須ともいえる参考書が「ふぞろいな合格答案」シリーズです。
↓2022年版です。2023年度に受験する方は2023年6月に発売される2023年版を購入してください。
「ふぞろいな合格答案」シリーズについてはこちら→【完全独学・一発合格】中小企業診断士2次試験の対策には「ふぞろいな合格答案」がおすすめ!
1次試験を終えて2次試験対策として「ふぞろい」シリーズを購入した方の中には、過去問演習の際の「ふぞろい」の活用法を手っ取り早く知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回の記事は「ふぞろい」を活用して、完全独学で一発合格した私なりの勉強法をご紹介します。
過去問を解く
まずは事例ごとで構わなので過去問を解いていきます。
最初のうちは制限時間の80分で解ききることはできないと思います。まずは80分までで解いた部分がわかるようにしておき、その後すべての解答を自力で作成してから採点するようにしましょう。
原稿用紙を使った過去問演習のおすすめの方法
「ふぞろい」にも過去問の与件文と設問が収録されていますが、過去問は中小企業診断士協会から試験問題のPDFファイルをダウンロードできるので、自分で印刷して問題用紙とするのがおすすめです。
解答用紙はないので、私の場合は400字詰めの原稿用紙を縦にして使っていました。
白紙にメモや下書きをおこない、原稿用紙に解答を書くことで、本番を意識した問題演習ができるかと思います。
過去問演習の際に意識しておくべきタイムマネジメント
1~2年分の過去問を解いて、過去問のレベルを知った後は、80分の時間配分を意識して過去問に取り組みましょう。時間配分は「ふぞろいな合格答案」の合格者のコラムを参考にしながら、自分なりのタイムマネジメントを決めておくといいと思います。
私の場合はそこまで細かく決めていませんでしたが、紹介しておきます。与件文の精読の時間と、解答を書き始める時間は守るようにしていました。
1min | 問題文のはじめ(企業の概要など)、図表などをざっくり確認 |
3min | 設問を読んで解答の流れを推測、与件文を読む際のポイントを頭の中で整理 |
20min | SWOT、課題、社長の想いなどに下線を引きながら与件文を精読 |
40min | 各設問の解答骨子を作成、設問全体を通した構造を調整、 モレなくダブリなく与件文の情報を盛り込む |
75min | 因果関係、「誰が、何を、どのように」、「施策+その効果」など文の構造を意識しながら、 解答を書き上げる。 |
80min | 最後の1問を何とか書き上げる、もしくは全体を見直して微調整 |
一人模試をしよう
2~3年分の各事例についてじっくりと学習した後は、1日中時間が取れる日に、4つすべての事例を通して解く一人模試を実践するといいと思います。
80分×4=合計240分の試験はなかなか疲れますが、集中して1年分の問題演習を週末の1日で終わらせて、なかなかまとまった時間が取れない平日に自己採点と振り返りをおこないます。このサイクルを毎週繰り返すことで本番への慣れも生まれてきます。
過去問の自己採点&自己分析
「ふぞろいな合格答案」が威力を発揮するのが過去問の自己採点と自己分析です。
過去問の自己採点には「ふぞろいな合格答案」の答案分析パートをまとめた「ふぞろいな答案分析」や「ふぞろいな合格答案10年データブック」が便利です。
ふぞろいな答案分析は2022年現在の「ふぞろいな答案分析6」まで出版されています。
多くの受験生の再現答案から導き出されたキーワードによる採点基準を用いて、自己採点をすることで自分の解答を客観的に見つめることができます。
自分の解答には何が足りていないのか、どのように文章にすれば字数制限に収めることができるのか、などを常に意識しながら振り返りをすることで、はじめは歯が立たなかった過去問もある程度パターン化しながら解答を組み立てれるようになります。
「ふぞろい」を学習する中で得られた私なりの2次試験対策のポイントをいくつか紹介しておきます。
与件文に忠実に
「ふぞろい」シリーズでは、「与件文に忠実に」と口酸っぱく教えられます。中小企業診断士2次試験は受験生の独自のアイディアを求めていません。与件文から導き出される一般的で合理的な施策が求められています。
ですので、100字の解答すべてを自分なりの言葉で書く必要はなく、与件文から関連部分を抜き出すことが基本となります。
2次試験は模範解答は公開されませんが、出題意図が中小企業診断士協会のHPに公開されています。出題者の出題意図を与件文から読み取り、しっかりと読み取れていることをアピールすることが重要です。
複数の切り口を意識する
私の場合、過去問を解き始めた当初は1つの切り口で制限字数を使い切ってしまい、自己採点をすると20点のうち7点くらいしか得点できていないことが多々ありました。
一方で、合格答案では例えば100字の問題であれば3つほどの切り口を盛り込んでまとめています。
別の切り口はないか、というのを常に意識して置き、逆に答案に盛り込む切り口を絞り込むくらいのレベルになることが理想です。
ふぞろいシリーズ以外に、過去問を事例として解答ノウハウを解説してくれている「2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」も様々な切り口を考える上で役に立ちます。
有機的に知識を補充する
2次試験には1次試験の知識がベースとなってきますが、知識があやふやだからといって1次試験対策のテキストを改めて読み込む時間はありません。
「ふぞろいな合格答案」の事例分析などにはキーワードに関連する知識がまとめられています。例えば事例Ⅰであれば外注活用のメリット・デメリット、事例Ⅱであればブランドの4つの機能、事例Ⅲであれば納期遅れにつながる要因とその対策などです。
「ふぞろい」を活用して過去問を学習し、過去問の与件文や設問と関連する知識が有機的につなげていくことで、本番でも設問や与件文を読んで、すぐに必要な知識が思い浮かぶようになるはずです。
私の場合はプラスαで「2次試験合格者の頭の中にあった全知識」の関連する部分を読むようにしていました。
自己分析ノートの作成
「ふぞろい」の採点基準や解説を学習しながら、解答の骨子となるキーワードや解答の組み立ての構造、関連する知識をノートにまとめるのがおすすめです。
書くことによる知識定着
「ふぞろい」の解説は対話方式となっており、読みやすくする工夫がされていますが、ともすれば読んで理解した気になってしまいます。自分なりに事例全体の流れや、キーワードの選択、解答の構造などのポイントを実際に書いてまとめることで、知識の定着を図ることができます。
その際に、特に自分が得点できなかった部分を明確にしておくことで、次の演習や試験本番に生きるノートにしていくように心がけましょう。
サイクルを回す
私の場合は自己採点と振り返りをしながら、大体1つの事例につき2~3ページ程度でまとめ、毎回新たな事例を解く前には自己分析ノートをパラパラと復習してから臨むことで、得た知識を実践で使うサイクルを回すことを心がけていました。
過去問の復習を時短
自己分析ノートは特に試験直前で威力を発揮します。
事例一つを解くのには80分かかりますので、正直なところ2回3回と解くということはできません。私の場合は、10年分を1回解くので精一杯でした。
しかし、自己分析ノートを見返すだけならそれほど時間はかかりません。各事例のキーワードや解答骨子、自分が間違ったポイントを簡単に復習することができます。
自己分析ノートの内容を頭に入れた上で、過去問の与件文と設問を読み返しながら、頭の中でどの部分からキーワードが導き出され、各設問に対してどのようにモレなくダブりなく解答するかをシュミレーションすることで短時間で復習を繰り返すことができます。
試験本番の直前にも活躍
試験本番の直前に「ふぞろい」を開いて読んでいては、復習としては非常に非効率です。
ノート1冊にまとめておけば、試験前日や試験本番の各事例までの休憩時間でも、効率的に過去問のポイントをすべて学習することができます。
試験直前にざっとでも見返して、本番でよく使うキーワードを頭に入れておくだけでも、緊張で焦る本番でも解答の結論を導きだせる可能性が高まります。
まとめ
今回は「ふぞろいな合格答案」を活用した過去問演習の方法についてご紹介しました。
ポイントは以下のようになります。
・中小企業診断士協会HPの過去問と原稿用紙を活用して効率的に過去問演習をしよう。
・「ふぞろい」を使った自己採点はじっくりと。自分なりに解答のポイントをつかみ、ある程度パターン化できるようにしよう。
・自己分析ノートの作成は知識定着、復習の効率化、直前期の見直しなどメリットだらけ。作るのを強くおすすめします。
以上、私なりの中小企業診断士2次試験(事例Ⅰ~Ⅲ)の勉強法についてご紹介しました。過去問演習をしながら、「ふぞろい」のエッセンスを自分なりにノートにまとめることで、試験本番まで活躍する教材となると思います。
ぜひ合格目指して頑張ってください!
「ふぞろいな合格答案」おすすめな理由や買い揃え方については以下の記事で解説しています。
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