こんにちは、susumuです。
中小企業診断士の受験を考えている方が最初に知りたいことの一つに
1次試験って7科目もあるけど、どういう順番で学習したらいいの?
という疑問があると思います。
今回は約6ヵ月の試験勉強で1次試験に合格し、そのまま2次試験も一発合格できた経験をもとに、1次試験7科目の学習順序について解説したいと思います。
私も最初は7科目というボリュームに少したじろぎましたが、学習順序を工夫するだけでも効率よく合格に近付くことができますよ。
中小企業診断士1次試験の7科目
中小企業診断士の1次試験は「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」、「経済学・経済政策」、「経営情報システム」、「経営法務」、「中小企業経営・中小企業政策」の全7科目からなります。まずは7科目を2つの観点から分類してみましょう。
2次試験との関連性
中小企業診断士試験には1次試験に加えて2次試験があります。1次試験の問題はマークシート方式ですが、2次試験は2000~3000字の与件文を読み、数値や40~120字の文字数で解答する記述式です。
1次試験の7科目のうち、「企業経営理論」は2次試験の事例Ⅰと事例Ⅱ、「運営管理」は事例Ⅱと事例Ⅲ、「財務・会計」は事例Ⅳと関連性が強い科目となります。
これらの主要3科目は記述式の2次試験で使えるように意識して学習しておくことが重要です。
理解系か暗記系か
理解系の科目としては2次試験に関連する主要3科目に加えて、 「経済学・経済政策」 が挙げられます。これらの科目は詰め込み型の暗記で対応するのは難しく、なぜそうなるのかを理解した上で問題に取り組み必要があります。
一方で、 「経営情報システム」、「経営法務」、「中小企業経営・中小企業政策」 の3科目は暗記系科目です。試験に合格するという目的においては、試験本番の際に知識が頭に入っていればいいため、直前期に詰め込むのが効率的です。
中小企業診断士1次試験の7科目のおすすめ学習順序
今回の記事は1年で7科目合格を目指す場合の学習順序の紹介になります。
科目合格制度を利用した2年計画の場合は、科目の学習順序は異なってきますので、別記事を参照してください。
まずは結論から言いますとおすすめの学習順序は以下のようになります。先ほどの2つの観点での分類も同時に示しています。
実はこれTACのスピードテキスト&問題集の順番と同じです。大手予備校も認める学習順序と言えると思います。
学習順序 | 科目 | 2次試験との関連性 | 理解系or暗記系 |
1 | 企業経営理論 | ◎ | 理解系 |
2 | 財務・会計 | ◎ | 理解系 |
3 | 運営管理 | ◎ | 理解系 |
4 | 経済学・経済政策 | × | 理解系 |
5 | 経営情報システム | △ | 暗記系 |
6 | 経営法務 | × | 暗記系 |
7 | 中小企業経営・中小企業政策 | △ | 暗記系 |
まずは2次試験に直結する 「企業経営理論」 「財務・会計」 「運営管理」
7科目を一発合格を目指す場合、主要3科目は2次試験でも使える知識とする必要があります。
したがって、直前の詰め込み型の暗記ではなく、体系的な知識として理解していく必要があります。
そのためにも早い時期に学習を開始し、ある程度テキストを読み込む時間を確保するとともに、問題集によるアウトプットを繰り返して、知識を有機的に定着させることを意識した方がいいでしょう。
「企業経営理論」で試験勉強のモチベーションを上げよう
主要3科目のうち、「企業経営理論」 は組織論、企業の戦略論、マーケティングといった内容を学びます。
最も中小企業診断士のイメージと合致する科目ですので、中小企業診断士を目指す方には最も興味があり、とっつきやすい科目ではないでしょうか。
中小企業診断士試験に取り組むモチベーションが上げるためにも、まずは「企業経営理論」の学習をするのがおすすめです。
「財務・会計」は早期の対策で確実な得点源に
「財務・会計」は 一度理解をしてしまえば、全く知らないような知識が出てくることも少なく、得点が安定する科目ですが、簿記などに触れたことがない場合は、苦手に感じやすい科目だと思います。
私の場合は簿記2級を取得していたので、比較的楽に対策ができましたが、 初めて簿記などを学習する場合は、あらかじめ簿記3級の参考書などで勉強しておくのも一つの手かと思います。
2次試験においても、「財務・会計」の知識が必須となる事例Ⅳは計算問題が中心となることから、記述問題が中心となる事例Ⅰ~Ⅲと比較して、学習量が得点に直結しやすい、努力が報われる科目です。
最初はわからなくても、問題演習を繰り返すことで理解度は確実に上がっていきます。問題演習を繰り返すことができるようにするためにも早めに取りかかることがおすすめです。
「運営管理」は日常生活との関りを意識する
「運営管理」も二次試験(特に事例Ⅲ)に直結する科目です。学習内容は日常生活の関連性が高く、比較的とっつきやすい科目です。
例えば、「運営管理」の学習範囲には、スーパーの商品の配置や棚割 といった店舗・販売管理の分野があります。
スーパーを訪れる際には学習した内容を思い浮かべながら観察することで、日常生活を通して知識を定着させていくことが可能です。
私の場合はメーカーの技術職でしたので、生産管理の分野も業務との関りから学習を進めやすかったです。
社会人で受験をされる方であれば、普段の業務と関係性のある科目が1つ2つあるかと思います。
効率的に合格を目指すためには、そういった科目に時間を割きすぎることなく、初見の科目などに時間を割く選択も重要です。
主要3科目の次は理解系科目「経済学・経済政策」
2次試験に直結する主要科目ではありませんが、「経済学・経済政策」は直前期の暗記だけでは試験に合格するのは難しいでしょう。
IS-LM分析など図表の意味を理解しなければ解けない問題が多く出題されるためです。
私の場合、7科目の中で最も時間を割いたのが「経済学・経済政策」でした。
「経済学・経済政策」 は苦手とする受験生が多い科目です。
私も最初は理解がなかなか進みませんでしたが、根気強く問題集を解き、躓いた部分をテキストで学習することを繰り返すことで、本番では80点近い点数を取ることができました。
中小企業診断士1次試験を突破するためには、7科目の中で苦手を作らないというのは非常に重要です。
これまでになじみのない科目や苦手に感じる科目ほど時間を割いて苦手をなくすことで、まずは40点以下の足切りにならないことが重要です。
最後に暗記系3科目 「経営情報システム」、「経営法務」、 「中小企業経営・中小企業政策」
2次試験との関連も薄く、暗記がものを言う 「経営情報システム」、「経営法務」、 「中小企業経営・中小企業政策」 の3科目は、試験の直前期に学習し、忘れないうちに試験本番を迎えるのがいいでしょう。
私の場合は試験3ヶ月前から「経営情報システム」、「経営法務」の学習をスタートし、「中小企業経営・中小企業政策」に至っては1ヶ月前からで十分間に合いました。
3科目のなかでの学習順序は 「経営情報システム」、「経営法務」、 「中小企業経営・中小企業政策」の順番がおすすめです。
「経営情報システム」
暗記系科目ではありますが、知識と知識に関連性があり、パソコンなどを使う方であれば日常生活との関りもあるので比較的とっつきやすい科目です。
また、今後ますます情報化社会となる中で、学習内容はある意味当たり前の知識として知っておくべきと感じたので、楽しく学習できました。
「経営法務」
私の場合、3科目でもっとも点数を取れなかったのが「経営法務」です。 ツイッターで1次試験後のツイートを見ていると、「経営法務」で足切りとなっている方が多い印象でした。
「経営法務」の学習は民法や会社法など普段あまり触れることのない知識を覚えなければならず、かなり苦痛でした。
ただし、一番足切りになる可能性が高いと考え、直前期はかなり時間を割いて問題演習を繰り返し、何とか覚えました。
この教科での私の失敗は1年前のテキストを使用していたことです。テキストが2020年4月に施行された民法改正に対応していなかったため、試験本番で関連する問題をほとんど正解できませんでした。
やはり独学の場合はできる限り最新のテキストを活用し、試験に関する情報収集は欠かせないと感じました。
「中小企業経営・中小企業政策」
中小企業経営の分野は前年の中小企業白書をもとに出題されます。
中小企業白書を購入する方もいるようですが、私は購入していません。
正直、中小企業白書を眺めて覚えられるとは思えないので、私の場合は試験1ヶ月前にテキストもそこそこに、 TACのスピード問題集を繰り返し解くだけの対策でした。
それでも本番で十分合格点をとれています。
注意点は、この科目については必ず最新版のテキストと問題集を購入しましょう。理由は毎年刊行される中小企業白書を題材としているので、毎年内容が変わるためです。
科目の学習は1つずつか同時並行か
7科目もあると、1科目ずつ学習して7科目を学習し終えた頃には、最初に学習した科目はほとんど忘れています。
私の場合は、主要3科目+「経済学・経済政策」に関しては最初の学習は1科目ずつ集中して取り組みましたが、 1周目を終えた後は、2科目を同時並行に学習していました。
暗記系3科目を学習する際にも、主要3科目は並行して定期的に取り組み、学習期間が空きすぎないように気を付けました。
また、取っ付きにくい科目(私の場合は「経済学・経済政策」、「経営法務」など)の学習時の息抜きとして、「企業経営理論」や「運営管理」などを復習していました。
おすすめのテキストと問題集は?
私が使用したのはTACのスピードテキストとスピード問題集です。
良くまとまったテキストだと思いますし、問題演習は過去問2~3年分を除いてスピード問題集を繰り返したのみで、余裕をもって合格できたので、おすすめできます。
中小企業診断士試験対策として購入したテキストについては以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【完全独学・一発合格】中小企業診断士試験で購入した参考書&問題集を一挙公開!
中古のテキストを活用できるかどうかは科目によって異なります。
【完全独学・一発合格】中小企業診断士1次試験対策は古い参考書でも大丈夫?最新版を買うべき?
まとめ
今回の記事のまとめです。
・1次試験のおすすめ学習順序は以下になります。
2次試験に直結する主要3教科「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」
→「経済学・経済政策」
→暗記系3科目 「経営情報システム」、「経営法務」、「中小企業経営・中小企業政策」
・1周目の学習を終えたら、2科目同時並行で、特に主要3科目+「経済学・経済政策」は期間が空きすぎないように学習すべし。
・おすすめテキスト&問題集はTACのスピードテキスト&問題集
以上になります。2次試験を見据えた効率的な学習順序を意識しながら、1次試験本番にベストの状態で臨めるようにメリハリをつけて7科目の学習を進めてくださいね!
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